戦いの歴史を綴ってきた人類を、根底から生まれ変わらせるほど強大なエネルギーを持つのが、水の運勢です。火に勝るのは水。戦う火のエネルギー全てがストップし、穏やかな水の、和のエネルギーによって人は動くようになるのです。
水の運勢は、地球全体を大変革させます。日本は、それに先駆けて根底から生まれ変わることになります。根底から生まれ変わるとは、日本民族の魂の根源から解放していくということです。
それを、日本の未来を予言された姜甑山天師(かんじゅんさんてんし)は「解怨相生」(かいおんそうせい)という言葉で表現されています。和という相生世界をもたらすには、まず解怨が必要であるという意味です。解怨とは、歴史的に積み重なった心の辛さ、苦しさ、無念さを解放するということで、「回天の聖者」には、次にように記されています。
「相克の理が人間社会を受けもったので、すべての人事百般が道義に合わなくなり、怨恨が重なり積って三界に溢れ、遂に殺気が流れ出して、世上にあらゆる惨酷な災をひき起こすことになった。」(「回天の聖者」新訂版 姜甑山先生顕彰会刊)
このように姜甑山天師は、火の運勢による相剋の災いを教え、さらにこの運勢を転換する方法も提示されています。
「今これからは、天地度数をたたき直し、神道を正して万古(ばんこ;遠い昔)の怨を解きほぐし、相生の道で仙境を開き、」(「回天の聖者」新訂版 姜甑山先生顕彰会刊)
火の運勢を根底から転換するには、「万古の怨みを解くこと」が重要であると教えておられます。これを日本に当てはめると、「日本民族の根源に流れる原初の無念さ、辛さを解く」ということになります。では、日本民族のDNAに刻まれている原初の無念さ、辛さとは、何を意味するのでしょうか。
それは、民族の魂のふるさとである神話までさかのぼることになります。日本には、民族の創世を伝える「古事記」がありますが、その中には、根源の無念な思いが綴られています。その思いを解放することが、火の運勢を根底から転換する方法となるのです。
古事記に記述された根源の無念さ。それは日本国土を生み出した伊弉冊 (いざなみ)大神様の辛さ、無念さであることを、私たち天地神明奉揚会は皆さんにお伝えします。
日本神話の中には、日本列島を生み出し、日本の神霊界を生み出した二柱の神様がおられます。伊弉諾(いざなぎ)大神様と伊弉冊(いざなみ)大神様です。伊弉諾(いざなぎ)大神様は天のエネルギーを象徴された男性神、伊弉冊 (いざなみ)大神様は地のエネルギーを象徴された女神様です。伊弉諾(いざなぎ)大神様、伊弉冊 (いざなみ)大神様によって、日本の礎は築かれたのです。
伊弉諾(いざなぎ)大神様、伊弉冊 (いざなみ)大神様は、日本民族がこぞって尊ぶべき根源の祖先神ですが、古事記において伊弉冊(いざなみ)大神様は、黄泉の国(よみのくに;地下にある暗き死者の世界)におられるとなっています。伊弉冊(いざなみ)大神様に対して暗いイメージが色濃く出ているこの内容は、大変理解されにくいものですが、この神話の中に、日本民族が火の運命を大転換する重要な秘密が隠されているのです。
水の運勢は、歴史的全ての辛さ、苦しさを解放する
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