日本の使命

6.生命と和

和を深く理解するために、生命の本質を見つめてみたいと思います。生命を見つめる時、ある一つの結論が見えてきます。それは「生み出され、守られることで生命は存在する」ということです。生命は自ら創り出すことはできません。全ての生命は与えられたのです。そしてその生命は、限りない恩恵の中で守られ、支えられ、生かされています。

さらに生命は、輪のようにつながることで存続しています。私たちの生命は、お父さん、お母さんから授かり、数千年の歴史の中、ご先祖様によってつないで頂きました。そして私たちの生命は、地球につながり、宇宙につながっています。生命という一つ一つの輪がつながって大きな輪となっている。この生命のつながりが、「大輪」(だいわ)であり「大和」(だいわ/やまと)なのです。

日本民族の大和魂を復興するには、まず生命を授けて下さった父母に感謝し、先祖を敬い、そして天地を尊ぶことが原点となります。本来の大和魂とは、水のように純粋な心です。真実を真実として正しく見つめる心です。生命を授けて下さった父母に感謝し、祖先を敬い、天地を尊ぶことは、透き通った水の心そのものなのです。

日本には「お陰さま」という言葉があります。これは、大自然のお陰で生かされているという感謝の思いが表れた言葉です。私たちの先祖は、大自然の本質は神霊であり、限りなく生かそうとされる神々様によって生かされていることを知っていました。日本固有の文化に基づいた宗教は神道ですが、この神道に、人が自然と和する道が示されています。即ち、自然は神霊実体であり、その恩恵によって人は生かされていると教えているのです。

受けている全ての恩を理解し、感謝の思いを捧げる。これが和の心です。和は、互いを思いやり、互いを生かそうとする愛と徳の心によってもたらされるのです。

親が子を思い、子が親を思うことで和の心が循環する

5-6