すべての人が持つ生命。ですが「生命とは何? 生命はどこから来たの? 生命の目的は何?」これらを自問する方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、生命について深く見つめてみたいと思います。生命の真実への気付きが、一人一人の生命力を高め、今直面している人生の課題や困難を解決する力となって、湧き上がってくることと思います。
生命を見つめる時、ある一つの結論が見えてきます。それは「生み出して頂いた」ということです。生命は自ら創り出すことはできません。すべての生命は与えられたのです。そしてその生命は、一つ一つの生命が鎖のように輪を成してつながってきています。
私の生命は、お父さん、お母さんから与えられました。そしてお父さん、お母さんとつながっています。私の生命の中に、お父さん、お母さんが存在し、遠く離れていても、いつもつながっている。それが生命なのです。
さらに私の生命は、数多くの先祖様ともつながっています。数千年の歴史の中、生命は先祖様方によって確実につながり、今の私が存在しています。今を生きる私たちは、生命の歴史の最先端に存在しています。と共に、私の生命の中には、数知れない先祖様が存在されているのです。生命は、間違いなくつながっています。
偶発的に生じた生命であれば、単独で消え去ってしまうことも当然考えられるでしょう。しかし生命は、綿々とつながり連続しています。生命は、つながっていくように設計されている。それ自体、あまりに神秘的なことなのです。
自分の生命とつながっている、お父さん、お母さん、先祖様のことを考えてみましょう。そして生命をつなげて下さったことに心から感謝しましょう。感謝の思いは、生命のつながりを強くさせ、その生命力はこだまのように返ってくるのです。
生命のつながりに感謝することは、生命の尊さを理解する原点となります。そして自らの生命のルーツである父母、祖先に心から感謝を捧げる時、自分の中に宿っている強い生命力が目覚めてきます。生命への感謝が生命力を甦らせるのです。
●地球につながっている生命
宇宙空間に浮かぶ瑠璃(るり)色の美しい星“地球”。ある宇宙飛行士が、「宇宙空間から地球を見ていると、地球はただ美しいだけではなく、まさに生きていると感じられる。その時、自分は地球の生命とつながっていると感じた」と話されています。青い海を湛((たた)え、大地を抱え、一千万種もの生物を包み込みながら回転している地球の姿は、奇跡の星そのものです。私たちの生命はこの美しい地球によって生み出され、抱きかかえられています。その姿は、赤ん坊がお母さんから乳を頂く姿と同じです。生命のつながりを見つめるとき、私の生命は、お父さん、お母さん、先祖様、そして生命の星“地球”につながっていることが、はっきりと見えてきます。地球は私たちのお母さんなのです。
私の生命は地球とつながり、私の生命の中に地球の生命が分け与えられています。地球は生命力に満ち溢れた大生命であり、宇宙空間で回転しながら、46億年とも言われる長い歳月を、生き続けています。巨大な生命力を有する地球は、自らの中に多くの生物を抱きかかえ、生命力を与え続け、生かしている大生命体なのです。
人は、地球を離れて一分も存在することはできません。人の生命は、地球に依存し、地球に守られ、地球によって支えられています。地球が大生命の大河だとしたら、私たちは大河の支流です。支流は、大河の流れと共に流れるのです。私たちは、大生命の大河である地球から、生命を分け与えられた存在です。ですから、地球という大きな生命に抱きかかえられて存在していることに心から感謝するとき、地球の生命力と強くつながっていくことができるのです。
植物たちは地中にしっかりと根をはって、美しい花を咲かせ、実を結びます。それと同じように、私たちの生命の根を、地球にしっかりとはるのです。人の生命のルーツは地球にあるという認識を強め、地球に感謝していく時、生命力という大輪の花が、私たちの人生に咲いてくるのです。
●生命の息吹き
春は、様々な生命が生き生きと芽吹いてくる季節です。太陽の光に促されて、種は芽を出し、花を咲かせてきます。春が過ぎると梅雨が来て、雨が降り、風がそよぎ、四季が巡って、すべては大自然の営みによって自然のうちに実るように育まれています。その姿は見事な設計であり、地球と太陽の相互作用によってあらゆる生命が生育しています。
大自然は、生命を生かし、養い、実らせようとする大きな慈愛に満ちています。人も、この大きな慈愛の中で、生命を頂き、生かして頂いているのです。自らを生かして下さる大自然、即ち天地大父母様への感謝を深める時、その思いは、大自然の生命力と呼応し、人が本来授かっている“根源の生命力”が胎動しはじめてくるのです。
生命とは、天地大父母様の限りない慈愛と徳の現れです。この真実を深く見つめ、「生かされている」「愛されている」という喜びをいつも感じ、生命を謳歌して活き活きと生きていきましょう。私たちの生命とは、お父さんの命、お母さんの生命、先祖様の生命、そして天地大父母様の生命が分け与えられて生まれた、余りにも尊い宝物なのです。