水が教える地球の心

人類のお母さん「地球」。人は長い間、地球を物質と思い、破壊してきました。「親の心、子知らず」とも言われますが、地球のお母さんと心の絆(きずな)を回復するために、今回は、「地球の心」というテーマで、見つめてみたいと思います。

子供を慈しむ心は、自然の心、地球の心

『父母恩重経(ぶもおんじゅうきょう)』より・・・母の懐(ふところ)を寝処(ねどこ)となし、母の膝(ひざ)を遊び場となし、母の乳を食物となし、母の情けを生命となす。飢ゑたる時、食を需(もと)むるに、母にあらざれば哺はず、渇きたる時、飲をもとむるに、母にあらざれば咽まず。

私たちは地球から生命を頂き、守り養って頂いています。地球と私たちは、親子です。そうでありながら、地球のお母さんの心を感じられないのはなぜでしょう?それは人の心が鈍感になっているからです。心と心は波動ですから、深い愛の清らかな波動と鈍い心の波動は合わず、通じなくなっているのです。私たちの生命は、地球から頂き、その生命は愛情の凝縮体です。先に示した「父母恩重経」は、お釈迦様が教えられたものですが、母の愛が無ければ私たちは存在できないということを教えられています。地のお母さんの愛情なしに人類は存在できず、愛情の凝縮体として生命はあるのです。数え切れない愛情を受けた結果が生命であり、今日も、限りない愛と徳、恩の中で生かされています。

さる親子今、親の愛を考えるとき、自分の生命よりも子どもを優先するのが親の心ではないでしょうか。あらゆる動物が、純粋に子どもを大事にします。これは本能と表現されますが、自然界に貫かれた親子の法則です。自然界は、生命を守り慈しむ心で満ちています。その心は即ち「地球の心」なのです。

私たちが住む地球の心は、限りなく生命を守り育て慈しむ、優しい母の愛です。この心に人の波動が合えば、不和もいじめも戦争もなくなります。でも人は、地球が発する愛の波動を受信できず、地球のお母さんの声が聞こえないでいます。それが地球破壊、温暖化、これら全ての原因です。人は、親の愛を感じられず心を失くした子どものようで、あまりに不幸です。閉ざされた心を開き、地球の心に耳を澄ましましょう。地のお母さんと心が繋がれば、強い生命力が与えられ、不安や哀しみすら消え去ります。親の愛に勝る力はないのです。 

水を通して、地球のお母さんの心の声を聞く

毎日「天地神明天地大父母様」と呼びかけても、お父さん、お母さんを身近に感じることはなかなか難しいかもしれません。でも、水が、地のお母さんの心を伝え、水がお母さんの心に導いてくれます。地表の七割が水であり、地球を“水の星”と言うように、水が地球のお母さんの心を伝え、お母さんの心に気づかせてくれるのです。

心は、見えないエネルギー「気」を発します。愛情の塊である地球は、正しい気を放ち、その正しい気が結集して水となり、あらゆるものを生かしています。水に、地のお母さんが放つ愛の心が込められているのです。水が、美しい言葉や音楽に結晶を結び、汚い言葉には結晶を結ばないのは、水に心があるからです。水が、お母さんの心を教えてくれているのです。

また水は寛容で、全てを生かそうとします。汚れを落とし、弱そうに見えながら岩をも砕く。水が教えるように、地球のお母さんの心は、無償の愛、与える愛、他を生かす愛の塊。私たちは、尊い母から生まれた尊い子どもです。地表の七割が水であるように、人体の七割も水。人間は、母なる地球から出てきた生命そのものです。地球のお母さんと同じように、限りなく与え、愛と徳を喜び、調和し発展する美しい本性を持っているのです。

人の本当の心は、水の星の心

水のように他を生かす愛が、人の本当の心です。しかし人類は、天地大父母様によって生かされているという恩を忘れ、自分中心の欲望を強く出す火の心に傾いてしまいました。火の心は怒りとなり、この世界を不和、競争、闘いで埋め尽くし、地球破壊の極まで来てしまっています。お釈迦様が、怒りを三毒の一つと説かれたように、怒り・火の心は自分を苦しめ、自らの心も体も確実に病ませていきます。今、長い歴史で積み上げてしまった攻撃的な火の心が暴発し、地球全体に火のエネルギーが渦巻き、極の極まで来た状態。これを止めるには「水」しかないのです。

地球に渦巻く火の原因は、人の心が火に傾いたこと。自分の中に小さな火があることに気付いてそれを静めていけば、清らかな水の心に導かれます。火は「自分が正しい」「相手のせい」という非難・批判です。逆に水は「自分も未熟」「相手を生かしたい」という調和・発展です。人を助けたい、優しくしたい、役に立ちたい。それが自然の心、地球のお母さんの心です。地球のお母さんは、子どもたちが戦う姿を悲しまれ、子どもたちが仲良くする姿を見たいのです。

母なる地球生命を下さったお父さん・お母さん、先祖様、天地神明にありがたいとする水の心が、天地神明奉揚(ほうよう)する、純粋で素直な心です。そして水の心は、対立しない、和する、溶け合おうとする、受け入れる、他を生かす心です。

私たちは、火の心を失くそうとするのではなく、水の心を強くすることで、自ずと火の心は消えていきます。人の本性(ほんせい)は水。地球の心と同じく、他を生かす愛と徳の心なのです。

2012年を皮切りに、宇宙から素晴らしい生命の光が到来し、地球が本来の姿を現します。宇宙のお父さんの愛が光なら、地球のお母さんの愛は水。どちらも、限りなく与え、生かそうとする親の愛です。宇宙の力を受けながら本来の姿を現す地球。そこと心を合わせることで、私たちも心の次元を上げていくのです。人間は水の星に生まれた水の星の子ども。地中から出た透き通った水の塊“水晶”。それよりも清いのが人の心です。火よりも水の心を求め、尊いお母さんの心に通じて行く時、人は、清らかな水の心を取り戻して行くのです。